のんびり NONビリ

昨年秋田市で「のんびり(あこがれの秋田)」という写真展があり、大好きな写真家浅田政志さんも関わっているということで観に行きました。そこで初めて秋田県のフリーマガジン「のんびり」の存在を知りました。「のんびり」は16回をもって発行を終了していますが、今回の写真展に合わせ再度編集メンバーが集まって作ったのが本誌です。今回のテーマは「あきたこまち」他にこれまでの特集から「道の駅十文字」「わらび座」も収録されています。編集メンバーの中心は藤本智士さん。兵庫県在住の編集者で旅をしながら地方の素晴らしさを発信しています。「のんびり」の取材方法が独特で藤本さんら県外メンバーと秋田の県内メンバー合わせて10人程度がチームになって取材します。編集者やカメラマン、デザイナー、イラストレーターといった顔ぶれがゾロっと押しかける感じです。インタビュー内容がそのまま文字になっていて臨場感があります。そして驚かされるのは4日間という日程の中で、テーマは決まっているものの、落としどころは決めないままに行き当たりばったりなのだそうです。そしてそれが思いがけないところへと発展していくところが面白いです。最終日には取材先への感謝のサプライズがあるのですがそれがまた感動で、読者である自分もその場で肩を抱き合っているような気持ちになります。藤本さんのいう編集とは、地域を編集することを実践しています。「新しいものを作ることより、いまあるものを生かす」藤本さんたちが見せてくれる秋田は、それはもう感動的で、素晴らしいところに住んでいることを気づかせていただきました。